「ひだまり」は、母のいるもうひとつの我が家です。
福岡市 西区在住 2009年1月入居 S様(80歳)のご家族の話
母に認知症の症状が出始めたのは75歳のとき。父が亡くなり、これから二人一緒にいろんな所へ旅行しようと考えてた矢先でした。家までの帰り道がわからなくなる、エレベーターの乗り方もわからない。「なんでそんなこともわからないの!」「なんでそうなったの!」一言えば、十気づくようなしっかり者の母だっただけに、その落差に呆然とするばかり。日々、壊れていく母を受け入れられず、怒りと悲しみでいっぱいでした。
「ひだまり」に入居を決めたのは、掃除がきちんとされてて温かく清潔な感じがしたから。私自身もほっとする場所です。面会は会社が休みの土日に必ず。母を癒してくれる愛犬も一緒に連れて来ます。自宅では頭が痛いと言ってうずくまってることが多かった母ですが、ここに来てから頭痛はなくなったみたい。なんだか笑顔が増えたように思います。私が作った料理はあまり食べてくれなかったのに、ここでは食欲も旺盛らしい(笑)。スタッフの方が母の状況をいつも報告してくださるので安心です。皆さん温かくて気さくでとても話しやすいですね。一緒に生活してるおばあちゃんたちもみんなとても可愛い(笑)。ここに来ると、悩んでるのは自分だけじゃないんだ、と少し安心します。認知症のことを少しずつ知るにつけ、以前の私の対応は足が不自由な方に歩けと言っているようなものだと理解するようになりました。たとえ記憶がなくなっていっても、笑って幸せに生きてくれたらいいなぁと思えるこの頃です。
最期まで父の尊厳を大切にしていただき、感謝しています。
福岡市 西区在住 2002年〜2003年入居 T様(享年96歳)のご家族の話
「ひだまり」で7年間、認知症の父がお世話になりました。ケアスタッフの皆様には病状をよく理解していただき、行き届いたお世話をしていただきました。自宅では私は孫の世話や雑用に追われ、どうしても父を中心にした充分な介護ができませんでしが、「ひだまり」では、すべて入居している方々を中心に動いています。ここでは父が主役でした。家族はどうしてもおじいちゃんとして見てしまいますが、こちらで教師だった頃の父の生活を配慮していただきました。部屋には父が自宅で使っていた古い机や書棚をそのまま持ち込み、落ち着いて書き物をしている姿を見てほっとしたものです。毎日の食事も個人の好みにも気を配っていただいたようです。父は大好物の天ぷらをよく作っていただいたようです。ときたま外泊で自宅に帰って来ても、一日居ますと直ぐ「ひだまり」に帰りたがりました。きっと「ひだまり」が我が家と思っていたのでしょう。最期は夜間に容態が急変し、私たちが駆けつける前に、近くの協力病院にお連れいただき、安らかに息を引き取りました。最期まで家族同様暖かく見守って下さった、スタッフの皆様には本当に感謝しています。